子供の頃の石焼き芋の思い出

石焼き芋は、季節を問わずスーパーでも売られるようになりましたが、私が子供の頃は冬限定の食べ物でした。

東北地方のおじさんやおじいさん達が、出稼ぎで石焼き芋を売って歩くのです。

釜?を積んだリヤカーを引きながら、ゆっくりゆっくりやって来て、ピーッという蒸気の様な音が聞こえたら合図です。

買いに行くのは子供の役目で、母親にお金をもらって、リヤカーを探しに行きます。

たいていは駆け足で探します。

今と違って、テレビをつけっぱなしにしていませんから、かすかな蒸気の音でも聞こえるのです。

1人1個、家族の分を購入しますが、芋は自由に選ばせてくれるので、一生懸命に大きくて甘そうなのを選びました。

それでも結構当たり外れがあって、外れた時の母親のなんとも言えない顔が、今でも目に浮かびます。

色が薄くて、パサパサした食感の芋がハズレです。

代金は重量制で、はかりの付いたザルに芋を全て載せて金額を算出し、はかり終わった後に、おまけで1つ付けてくれることもありました。

茶色い紙袋に入れてくれて、それを抱えながら家までまた走って帰ります。

いつも春先に近いころになるとおまけしてくれるので、営業終了の時期がせまっていたのかもしれません。

そして、春先になるといつの間にか姿を消しているのです。

「焼き芋やさんいなくなったね」そんな会話をする頃には、春が訪れているのです。

そして、木枯らしが吹くころになると、あのピーッという蒸気の音が聞こえてきて、冬の始まりを実感していました。

もう40年くらいも前の話ですが、あの時の光景が今でも目に浮かぶ様です。

ちなみに、私の叔父も石焼き芋は大好きでしたが、ずいぶん前に性病を患って亡くなりました。

元来が遊び人だった叔父ですから、日本全国の風俗店を制覇するとか何とか豪語していましたが、性病には勝てなかったようです。

昔は今みたいにネットで簡単に、男の性病を検査するキットなどが買える時代ではありませんでしたから、今なら亡くならずに元気だったろうと思うと悲しくなってきます。